先祖代々承継してきた土地持ちの資産家のケース(後半)
~信託の仕組み~

 

【民事信託検討のポイント】はこちら

商業ビルを信託財産とする受益者連続型信託

 民事信託の仕組みとポイントの解説

1.受益者連続型信託

2.受託者

3. 相続時の相続財産額について

4.連続する受益者

5. 信託の帰属権利者

 民事信託を安定させるポイント

●家族の財産は家族皆で受託者業務を行う

民事信託は、受託者を家族が務める財産管理の仕組みです。本事例では受益者連続信託とすることで、遺言の制度では対応することができない相談者が希望する「後継ぎ遺贈』を実現できるようにしています。

受益者連続型信託では、信託期間は長期間にわたるため、特定の誰か一人が受託者として対応し続けることが難しくなります。後継の受託者をあらかじめ定めることや法人受託者を検討する必要があります。法人受託者の場合、法人を設立し、維持し続ける必要があります。

家族の複数の者が関与者となり進めていくことが求められます。家族がもめずに信託の目的を達成できるよう、家族が協力すること、家族のモチベーションを維持し続ける仕組みを検討することが必要です。

●受益者連続型信託は難しい信託

一族で資産を承継したいという思いから、受益者連続型信託を活用した事例を説明しました。受益者連続型信託は遺言では実現しない資産承継の方法で、信託ならではの優位性があり、事例解説に取り上げられることも多い信託です。

しかし、この信託の設計と信託の維持は難易度が高いと考えられ、信託契約の作成には、信託に精通した専門家の関与が必須です。また長い信託期間中、信託事務を実行し続けることのできる受託者はなかなかいないものです。

家族のニーズの実現のため、受益者連続型信託を活用しなければならないとき、仕組み作りを担う専門家・実務家は安易な取り組みとならないよう、十分に検討し、細心の注意を払ってチェックするよう心がける必要があります。

そのほかの事例はこちらからご覧ください

ほかの事例を見る
0 カート
0 フリップ商品/アイテムをカートに入れる フリップ商品