1.受託者が貸しビル(信託財産)を管理
2.信託設定当初は自益信託
3.受託者は長男
4.相談者の相続時、受益者は相談者の妻、長男、長女として相続税の負担を考慮
5.妻は受益者として相談者の相続後も継続して安定的に収益を得ることができる
6.妻がなくなったときに信託は終了する
7.帰属権利者には金銭を交付する
8.信託設定当初は自益信託
長男は父が行ってきた貸しビルの管理方法について、すべて把握していませんでしたが、信託を設定する際には、受託者としてこれまでの管理方法を把握することが必要です。
また、本信託では、貸しビルだけでなく、賃借人から預かっている保証金、敷金、修繕積立金も信託財産とする必要があり、保証金や敷金は現行の賃貸借契約をすべて調べます。修繕については、前回の実績と今後の修繕計画を立案することが必要です。築年数が古くなるにつれ修繕箇所は多くなります。もし、父が計画的に修繕積立をしていない場合、不足する修繕積立金を今後の収益で補うことも必要となるため、受託者となる人とこのような点について十分に議論することが、将来にわたって民事信託を安定させるポイントとなります。